2013年6月26日水曜日

ポストアポカリプスを生き抜くおっさんと少女の一年の旅路―The Last of Us―




6月20日にSCEより発売されたPS3専用タイトルラストオブアス。
『アンチャーテッド』を製作したノーティドッグの新規タイトル。
アンチャーテッドの雰囲気を光とするならばこちらは影。
アンチャーテッドはCERO:Dだったのに対してこちらはZと過激な描写の多い作品となっていた。


・紹介


突如起こった謎の寄生菌の爆発的な流行により荒廃したアメリカ。

20年後経った今も寄生菌の感染者や無法者と化した集団が蔓延り、復興の兆しすら見えなかった。そんな中でボストンにて隔離地域と呼ばれる軍に統制される地域に住む主人公ジョエル・ミラーは、あるトラブルに巻き込まれたことから少女エリー・ウィリアムズを避難所へと連れていく仕事を請け負うのだが・・・?
というストーリーの中で描かれるドラマがこのラストオブアスの主体となっている。
ジャンルとしてはゾンビ系のサバイバルアクションゲームになるのだろうが、全体的に見るとゾンビ・・・今作の場合はキノコ系の菌に侵された感染者との戦闘は少なめ。他の生き残った人間の集団との戦闘がほとんどだった。

・プレイ中に思った事。


やはりグラフィックが中々綺麗だなとオープニングのシーンを見て思った。

勿論、PCの最高画質と比べるとかなり格は落ちるのだろうが。
アンチャーテッドも中々よかったが、今作もそれに引けを取らない。
荒廃した都市の表現も良い。入る家や部屋一つ一つに生活の跡が、混乱の跡がきちんと見えるのが丁寧に作られているという証拠だといえるだろう。
そうした生活の跡や混乱の跡を見てしみじみと感傷に浸ってみるのも中々面白いものだ。
そういう荒廃した街の観光に明け暮れてしまうという魅力が今作にはある。だが、今作はフォールアウト3のようなオープンワールドゲームではなく一本道なために、もっと観光がしたい!と思ってもできない非常に限られた楽しみだ。


音楽も良い。メインテーマの弦楽器の弦の震える音がなんだかじいんとくる。そういえばSTALKERでもギターを弾いていた。こういう荒廃した世界には弦楽器がかなり合うようだなと感じた。
音という所でもいうと環境音もかなりよい。
雨の音や流れる水の音などかなりこだわっているとヘッドホンつけてプレイしていると感じる。
でもその代わりヘッドホン付けていると感染者達が出す音もよく聞こえて怖かったりもするのが難点だろうか。



戦闘はステルス、打撃、銃撃、制作した火炎瓶や爆弾の投擲から成り、それらを上手く使いこなし
つつ他の生存者や感染者と戦っていく。
ステルスする場合にはそこら中に落ちてるレンガやビンを投げて敵を誘導出来るのでそれで気を逸らして回り込むなんて事も出来る。そして敵の後ろに回り込みひっつかんで首絞めやナイフで殺したりする。ナイフは貴重なのであまり使いたくはないが、首絞めと比べて手早くテイクダウンできるためどうしてもという時には使いたい。
打撃はなかなか荒々しいモーションなので気に入ってかなりの頻度で使っていた。壁まで追い詰めると壁にぶつけて倒したりするなどの変化があって楽しい。打撃で弱らせると命乞いをしてくるので、「やめてくれー!助けてくれー!!」「だが断る」チュドーンみたいな流れをやりたい人にはオススメ。しかしながら打撃は結構音が出て他の敵にバレやすいのが難点・・・
そして銃撃。銃撃は遠距離攻撃の一手段だが物資の少ないこの世界では弾薬は貴重。良く狙って撃たないと弾切れで後悔することになるぞ!(した)
最後に製作武器だが、これは貴重な資源を割いて作るものなので非常に使うのを躊躇してしまう。
代わりに犠牲になるのがナイフだったり救急キットだったりするので尚更使いにくいし非常時に作るというのもためらってしまう。だが、その代わりに得られる恩恵は凄まじい。
これらの要素を上手く使って他の生存者や感染者の攻撃をくぐり抜けて行くのがラストオブアスの主な流れだった。


あとはエリーが可愛かったのが好印象だった。
前に出たバイオショックインフィニットのエリザベスに比べるとかなり気が利くわけでもないが、
可愛さでは負けず劣らずだ。口笛を吹いて上手く吹けて喜んだりしているなど年頃の娘のようで微笑ましい。ストーリーが進むにつれナイフや拳銃でサポートするように成長していってくれるのも嬉しい。エリーの成長もラストオブアスでの楽しみの一つなのでジョエルだけでなくエリーにも注目してプレイして欲しい



・最後に

今作はかなりの良作であるとはいえ、始める時のロードの長さや味方AIの行動がバグってさっきやってくれたことをリプレイするとしてくれない、クリッカーの掴みに反撃する技を身につけるのに時間がかなりかかるなど不満点も多い。海外レビューでは満点を取りまくった本作だが、自分としては7、80点くらいが妥当だと思っている。
しかし、ノーティドッグの送り出してきたプレイする映画としてのゲームのPS3での終着点であるからして、是非プレイすべき作品であることは確かだと僕は思っている。
以上でラストオブアスの感想を終えることにしよう。


Flashムービー黄金時代が思い出される一本―One Finger Death Punch―




小小(シャオシャオ)作品というものをご存知だろうか。
中国人の方が作ったFlashムービー作品で、ニコニコ動画が始まる前にあったいわゆるFlashムービー全盛期に流行ったもののうちの一ジャンルだ。
内容は棒人形がカンフーアクションをして多数の敵をなぎ倒していくという内容なのだが、
その流れるようなアクションや棒人間なのにリアルっぽい流血描写によって人気が出たシリーズで、本家以外にも似たような作品が別作者によって多数製作されるなどした。
それと紹介しているゲームに何の関係があるのかというと、まずは動画を観てもらいたい。

↓小小作品






↓そして本作





似ている・・・
どちらもカンフーアクションで棒人間という点で何となく似ている・・・
小小作品に影響を受けたのかどうかはよく調べてないのでわからないが、
そういった小小作品のようなスタイリッシュなアクションが楽しめるのがこのゲームの特徴だろう。
操作は極めて単純でXボタンとBボタンがそれぞれ左右の攻撃ボタンとなっているので、
敵が範囲内に入って来たら・・・


打つべし!打つべし!


たったそれだけだ。まぁリズムゲーのようにポンポンとボタンを押すゲームだ。
単純でつまらなそうにも聞こえるが、単純だからこそ面白いというものもある。
それがこの作品だとも言えるだろう。
敵にもバリエーションがあって一撃で倒される雑魚敵の他にも、
複数発攻撃を耐えたりこちらの攻撃に耐えサイドを変えてその隙に攻撃してくるカラー付きの敵、
表示されるボタンを次々に押して倒さなければならない王冠を付けた強敵もいて、
それがこのゲームの難易度を高め、やりごたえのあるものにしている。


他にもゲームを有利にするスキルや、攻撃にバリエーションを持たせたり強化する武器、
敵を吹っ飛ばすとぶっ壊れるオブジェクトも中々に気持ちいい。
ゲームもただ雑魚と戦うだけでなく、時間制限が付いたり、ライトセイバーやヌンチャクでなぎ倒すものや、敵が見えにくい雷雨のなかで戦うもの、敵の色が全部同じでカラー付きの敵がわかりにくくなるレトロフィルム風のもの、ボスと1対1で戦うものやオブジェクトを敵を吹っ飛ばして規定数壊したりするものもある。どこまで敵を倒せるか試したいという人にはサバイバルモードもある。


ステージ数もかなりのもので、僕は昨日DLして相当プレイしたと思うのだが最低難易度のSTUDENTもまだまだ先は長そうだ。インディーズゲームで配信されていてこのボリュームはかなりのものだろう。


このゲームはPCやXBIGで配信されていて、XBIGでの値段は80MSP。
興味が出た方もそうでない方もまず体験版をDLしてプレイしてみて欲しい。
Flashムービー全盛期の事が思い出されて懐かしい気持ちになれたり、その体験がなくともゲームのアクションの気持ちよさにハマるはずだ。